2010/07/04

インド:本格ハイビジョン放送開始


写真:インド国内既存DTHプロバイダー内ハイビジョンHD放送を開始した5社のDTHプロバイダーのHP広告。SUN HDを除いて、ほか4社は今年からスタートした。

インド市場HD放送:背景
去年インドメディア企業のSUN DTHがスタートしたHD放送は今年になり、ほかの国内DTHプロバイダーもサービス開始しました。どのプロバイダーも数チャンネル(4-5局ずつ)のHD放送をはじめています。画質は高画質の1080iで、音声は5.1ドルビー・デジタル対象です。質面では最新方式のデジタル圧縮、設備上、日本と変わりません。日本は世界でも先駆けてHD一般放送をイノベートし、開始したところ、インドは去年になって開始した分、圧縮技術と画質面ではどちらかといえば、少し上回るぐらいです。ところが、インドはハイビジョン視聴者獲得には本年からはじめ、後数年間はかかる見込みです(一般Cable、DTH加入世帯は計1億世帯以上)。一方、面白いことにハイビジョン放送が見られなくてもこの数年間トレンドとして、ハイビジョン画質対象の液晶とプラズマテレビは売れています。それがほとんどに関して一般SDテレビ放送とDVDでの映画鑑賞のみに使われてきました。この液晶とプラズマテレビ所有者、そしてこれから購入される買い手がHD放送のメインな対象顧客層となります。
視聴できるHDコンテンツ 
今年HDサービス開始したどのプロバイダーもFIFAサッカーのHD生放送からスタートしました。次にWimledonテニス大会の生放送と大型国際・国内スポーツイベントが続けてHDで放送される予定です。現在どのプロバイダーも放送しているHDチャンネルではDiscovery HD, National Geographic HD, ESPN SportsHD, Star SportsHDからはじめ、インド国内ヒンディ語やほか言語のチャンネルラインアップですが、次にHBO  HDの洋画専門、ほかが追加していく見込みです。Discovery, NatGeoはドキュメンタリー系が中心で、自然、アドベンチャー、旅番組などがハイビジョンで見られるのは国内視聴者には待ち遠しいの高画質サービスで、スポーツは言うまでもなく、映像だけではなく、音声面でもスタジアムにいる気分になることから喜ばれているようです。都市部、副都市部ではほとんどに関して売れている液晶、プラズマの16:9型テレビでは、クリケット、テニスやサッカーなどの場合は従来のSD放送は単に「横長」または「ズーム」にして見てしまうかに比べてはハイビジョン対応テレビをまともに使うことにもなり、人気度にも影響を与えるかもしれません。
料金について
最もいいのはHD放送受信料金だと言えます。今までDTH(パラボラアンテナで衛星から直接受信、それぞれプロバイダーが150-200チャンネル放送中)を使っていなくてもお気軽に買え、既に以下内のDTHサービスを使っている場合は非常に安くアップグレードができる仕組みです。プロバイダーのTataSky HDの場合は既存ユーザでなくてもRs.2599で買い求められます。驚きなのは月々のHDチャンネル受信パッケージに対する料金がいかにも安く(初期だからかもしれませんが)、TataSky HDの場合は月30ルピーで買えます。デコーダーや録画機は販売オンラインHP、または一般電気屋、家電屋で販売されています。現在HDも録画できるレコーダー型タイプではBIG TVのみですが、数ヶ月内ほかプロバイダーからも出てくる見込みです。ただ、HDチューナーのみはとても安くても(2500ルピー~)、録画タイプ(録画+チューナーの一体型)になりますと、7500ルピーぐらいです。
*ちなみにですが、現在のSD放送のみ録画できるレコーダーは2年前から流行っていて、TataSky、Airtel、BIGTV、DishTVが販売しています。


今後のHD放送局増加見込み  
インド国内でハイビジョン対応できるテレビは既に数百万台売れているそうですが、本年追加で約200万台+売れる見込みです。HD放送視聴料金におけるチャンネルパッケージが従来のSD放送より上がりますので、お客獲得には比較的時間がかかり、HDチャンネル数増加には時間がかかるかもしれませんが、一方、DTHプロバイダー間の競争が既に激しく、来年この時期頃ではハイビジョンでのHDチャンネル数が30局ぐらいに増えていてもおかしくないと見込まれています。映画・娯楽好きな国から言えば、洋画専門、インド映画専門、ドキュメンタリー、旅、娯楽HDチャンネル、そしてHD画質によるオン・デマンドの有料インド映画視聴(現在はDTHのSD放送で人気です)はかなり流行ると見られています。
HDチャンネル放送中のDTHプロバイダー:直接HPリンク
本年10月デリーにて開催予定の英連邦大会の生放送や全体的なカバーは国営放送のDoordarshanがハイビジョンで放送することになっています。市場として次はDTHプロバイダー間のHD放送競争になっていくかもしれませんが、視聴者にとっては文句のない贅沢だと言えるでしょう。